共産主義体制「耐性」の限界
共産主義を人類にとって最も厄介な病原菌とするなら、自由という薬が如何なる効果をもたらし、それに共産主義病原菌の「耐性」がいつまで持つのかが注目されるところだ。共産主義体制を維持する上で必須の条件とも言えるものが、情報の統制と言論の監視である。
この二つがコントロールされている限りにおいて、この共産主義という病原菌が消滅することはない。どのような薬にもそれなりの抗体を持って生存できる。しかし、この「耐性」が失われた時に脆くも崩れ去ってしまう。
この私達が生きている社会は、日々平穏に見えても常に危い均衡の上に成り立っている事を、嫌でも教えてくれたのが、共産主義国家群の瓦解であった。自由と平等な社会とは人間が目指す理想社会であろう。しかし、不思議にも不自由で不平等な社会が、人間の理想郷として存在していたのだから笑えない冗談でもあった。
あれほどの「収容所・国家」が自壊する様を見ることが出来ようとは、正直言って予想もし得ないことだった。どのような強大な権力であっても、それは権(かり)の力である限り、限界もあるし失う時もやってくるのだ。
前書きが余りにも長くなり過ぎました。昨日の『反中国講座�ァ戮涼罎如�現在中国においては「義和団事件」の歴史認識について、共産党指導部と言論人の間で深刻な対立が起きていると書きました。この問題で週刊誌としては高い人気を集めていた「氷点週刊」が共産党によって弾圧され廃刊に追い込まれました。
排外運動から北京の占領につながった1900年の義和団事件を現在の共産党政府は学校の教科書には中国人民の叛乱として肯定的に記述させています。これに対して「氷点週刊」は広州大学のユアン教授の批判的な論文を掲載し紹介した。ユアン教授は現在中国の中学校で使われている歴史教科書には「思想的な偏りや事実誤認があり、生徒に偏見や敵意を植え付けかねない」と批判していた。
これに対して共産党は「報道規制を著しく逸脱し、国民の愛国心を大きく傷つけ社会的にも悪影響を与えた」と批難した。ユアン教授は「義和団事件」を中国の現代化に重要な役割を果たしているという、これまでの定説を「破壊分子」に過ぎなかったとしてこの認識を改めるように主張した。
中国には侵略された原因は全て西欧列強の帝国主義や日本軍国主義にあり、侵略された中国の側には全く責任はないとの立場を崩してはいない。しかし、このユアン教授の論文は「中国が侵略され脅かされたのは事実だが、それを口実に自国の欠点や行動を正当化することは出来ない」と書いている。
このような「自虐史観」は共産党指導部にとっては受け入れ難いものであり、認めるわけにはいかなかった。外敵から中国を救ったというその理論的根拠の正当性に疑問符がつきかねない要素を含むからである。
中国人民は何も悪くはなかった、一方的に侵略された被害者である。中国共産党は侵略者に立ち向かった正義の党である。これが独裁政治を正当化する唯一の根拠であるからこそ、彼らはそれ以外の「歴史観」を葬り去ったのである。
しかし、ここに来て経済の急速な成長とインターネットの普及は、共産主義体制を揺さぶり始めた。この病原菌がどこまで持ちこたえることができるのか?中国共産党はネットの統制強化にも乗り出し、「違法」と認定した76サイトを閉鎖に追い込んだ。
自由への「耐性」に対処できるのか?全世界が注目している。
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