恩師との最後の別れと誓い
本日午前中、お世話になってきた国会記者クラブの桑原廉敬(れんけい)先生の葬儀に行ってきました。享年86歳。11日に心不全で朝方、奥様が見た時にはお亡くなりになっていたそうです。私は桑原先生とは33歳の時に知り合いました。
桑原先生は大正9年生まれで、元陸軍の甲種幹部候補生から、熊谷陸軍飛行学校を卒業、飛行将校となって大陸に出征されています。特攻隊の生き残りとして憂国の情は極めて高く、戦後は国会記者クラブでボス的な存在でした。
私はいつも国会記者会館の一室で囲碁を教えてもらいましたが、もう教えを請うことも出来なくなりました。私が初めてお会いしたのは有楽町の三井ビルに事務所を持っていた五嶋徳二郎先生の事務所を尋ねた時でした。
丁度麻雀のメンバーが一人欠けたので、「お前入れ!」と言われて一緒させて頂いた時が最初でした。この五嶋先生も大物で戦時中は大陸で五嶋機関と呼ばれた諜報活動に従事されていたそうです。
戦後は米国占領軍の財閥解体を恐れた三井財閥が、この五嶋先生に対抗手段を依頼したと聞きました。当時の三井銀行の小山会長や三井不動産の江戸会長と直接電話で話をするなど、あの時代におけるフィクサーであっと思います。
実は私は<新しい世界観を創出する>として、設立した『世界戦略研究所』に関して、次の先生方に大変お世話になりました。
五嶋徳二郎「五嶋事務所」代表
小林正雄「伊勢新聞社」社長
桑原廉敬「日本合同通信社」社長
浅野進太郎「IMF国際美術協会」会長
設立発起人になって頂いた先生方でしたが、既に五嶋先生と小林先生はお亡くなりになっており、今回桑原先生も亡くなられました。30代前半の頃にこれだけの先生に巡り合いながら、力を発揮することが出来なかった、己の人生に今更ながらに忸怩たる思いです。
今日の葬儀で桑原先生の著を頂きました。私はこの本は昭和62年に頂いたものですが、平成12年に新装版を出されていたようです。この本の中から戦前・戦後の激動期を生き抜いてこられた九州男児の男気と優しさをお伝えしたいと思います。
帯封の文章に感動しました。
「限りなく日本を愛し、古より伝承された一木一草一山一水に祈る究極の調和を、見果てぬ夢と歌う 歌文集 柳州山河」
「陸軍幹部候補生出身特別攻撃隊となり比島沖・沖縄海域に出撃し敵の艦船に突入して散った同期の友100人を追慕して靖国の庭は勇士の魂の揺り籠と綴る歌文集柳州山河」
来てみれば陸はるかなる煙ながれよ東の丘
戦場では屍を戦友が焼いた。湯本少尉が戦死した時も、彼を白絹の落下傘に包んで荼毘に付した。その焼け終わるのを、まんじりともせずに見守りながら夜をあかした。…煙がたって流れていった、そしてそれは私が焼かれた時にも立つ煙なのだ。
煙になって帰るより外には、この戦の中で、空行くものが祖国に帰る道のない予感の中にあって、煙よ、東の丘なる祖国の方に流れてゆけと、この歌によんだ…
長城は眼下にこえつ見はるかす蒙古の砂漠ソ連迫りぬ
昭和20年8月、ソ連の参戦と共に蒙古への出撃を命じられ、南京から北上転戦した。8月15日の終戦のその日の暁の蒙古の砂漠の中を、見渡すはるか稜線の消ゆるところまで連なって、縦一列となって進撃してくるソ連軍機甲兵団を発見した。
この偵察飛行によって張家口在住の日本人は、ただちに北京へ引き上げの処置をとったので、ソ連抑留の難を免れることが出来た。ソ連軍は間を置かずして、張家口市街を占領蹂躙し尽くした。
八十路なる杖を引きける品のよき婦人に添ひて回廊をゆく
30年ぶりにしてはじめて戦友会をひらいたとき、戦友の遺族の方の手をひいて靖国神社に詣った時に読んだ歌です。
桑原先生は靖国神社に関しては次のように書かれています。
大東亜戦争は、日本民族が戦ったいくさである。戦争を概念的にとらえることはやさしい。しかし悲しくとも辛くとも、日本民族がその興亡をかけて戦った事実は厳然として存在する。
民族の心もあったはずだ。日本民族は古来より多くの神を祭って来た。…戦死した戦友の、いまわの心根を偲ぶとき、それはすべて、正しく日本人の神である。靖国神社がそこにある。
100名からの陸軍幹部候補生出身者の特攻隊員名簿が記載されている。全て大学、高専の学業を中途にして自ら進んで特攻隊員を志願した人達だ。年齢は21歳〜26歳までである。学業を中途でやめ、志願したものは千人を超したと記述してあります。
あとがきに素晴らしい文章を見つけました。まさにこれが桑原先生の心情だったのではないでしょうか。
「世情は混沌として来てはいるが、戦場を馳駆したものには、国の行方を按ずることはあっても、己の気節を曇らせることはないとの思いが強い」
まだまだ伝えたいことは山ほどありますが、ここで終わりにします。幽冥に旅たたれた先生に今日は別れを告げて参りました。
我々はこの意志を未来の世代に繋げていかなくてはなりません。夏の参院選挙の戦いにおいては、靖国神社に祀られる神々を冒涜する輩に対しては、絶対にこれを許さず、日本民族の正史を綴る戦いに邁進したい。そのように先生にお誓いして葬儀場を後にしました。
合掌
明日は朝早くから実家の農作業(田植え)の手伝いです。ブログの投稿は夕方になると思います。
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