現在、共産党・新左翼・連合を含む日本の左翼勢力の間で「二十労組」なる存在が注目を集めている。この「二十労組」なる言葉を始めて目にしたのは、ガイドラインの法案に反対して左翼が集会を開催した2000年春であった。
「ザ・シンポジウム 新ガイドラインの発動を阻止しよう!」をスローガンに2000年3月4日、東京で開かれた集会には海員組合、全国港湾、国労、航空労組連絡会など、陸海空港湾労組二十団体が呼びかけ、全国から約千三百人の労組員が参加した。
この後この「二十労組」は有事法制反対大集会(2003年)やイラク派兵反対集会(2004年)と活発に動き、彼ら左翼の協力者である「反戦平和団体」や市民運動、宗教団体などを結集し拡大してきた。
ところが、彼らが最大の闘争目標を憲法改正阻止に定めて全国の労組や市民団体に呼びかけ、更に運動が高まりを見せようとした矢先に、まず連合がこの戦線から、脱会ではないが距離をおく姿勢を見せ始めた。
「二十労組のなかには、われわれが容認できない団体もある」と指摘し、中央段階では一線を画す考えも明らかにした。(連合通信より)
更に日本共産党は『赤旗』で党員に次のように呼びかけた。
「憲法改悪反対の世論と運動が高まるなかで、憲法問題での共同のとりくみや平和運動に、各地で「とめよう戦争への道!百万人署名運動」や「憲法9条―世界へ未来へ 連絡会」(「9条連」)、「報復戦争に反対する会」などを名乗る団体が潜りこんできています。これらは一体どんな団体なのか、見てみましょう。」
日本共産党が主張するには、この団体は「中核派・革マル派」のようなニセ左翼暴力団だというわけだ。
「市民団体を装って憲法運動に接近する「中核派」「革マル派」は、まじめに憲法改悪に反対する立場に立っているのではありません。その最大のねらいは、日本共産党の打倒であり、民主的な運動のかく乱・破壊です。」
この『赤旗声明』以来、改憲阻止運動からの新左翼追放が始まった。ここまでだったら、これまでいくつも見てきたパターンであったが、実は今回は共産党内部から、これを批判する主張が飛び出した。
『さざなみ通信』というサイトで、日本共産党の正式なサイトではないが、自分達は共産党の党員で複数で運営していると説明している。
(以下に引用、抜粋)
この人からすれば、どんなものだって、本質があって現象があるとし、実態を本質と現象と安易にとらえて、現象から本質をみるということはありえないということのようだ。
だが、現実にあるのは、二十労組の連携であり陣形である。実際、この人が本質としてあげた党派対立を媒介として、今新たな事件的なものが発生している事実はない。
実際かつての中核とカクマルのあの対立は、なくなっており、たとえば中核派はカクマルを大衆や組合の力で包囲しながら、倒すというように、路線をかえていると思われる。
またカクマルは、JR総連というカクマル最大の組織の分裂をかかえているのが実情ですらある。
これが、現在の中核とカクマルの本質であり基底なのである。
そのうえで、二十労組は、中核・カクマル(JR総連が割れる前からかかわっていたが)の歴史的対立を乗り越えて、形成されているということなのである。
したがって、二十労組という現実がすでにあるのに、中核と核マルをいれれば、事件を起こすというのは、言いがかりだということである。
しかも、二十労組は、日の丸・君が代・有事法制反対運動から培われてきた運動体であり、その部分には、共産党だけではなく、民主・社民をも包括する運動体として広範囲な労働組合が賛同しているのである。しかし、日本共産党指導部は縄張り争いと、自分たちのなかに食い込まれることを警戒して、あの声明をだしてきたものだというのが実際のところなのである。
また社民党の一部には、共産党と同様に、二十労組の陣形とは独立して、運動をとっていこうという主張するものもいる。しかし、それは、自分らの党派の囲い込みが、二十労組ではできないからだという裏返しにしかなく、それ自体が、社共共闘の壁をぶち壊していくものにしかならないということがいえるだろう。
はっきりいえば、有事法制六万人集会は二十労組の高揚で実現したが、その後のイラク反戦運動から今日までの経過によって、日本共産党などは自分らの票田獲得のためには自分ら独自の集会でないとだめだと切り替えをはかってきたものだといえよう。つまり、二十労組の陣形を取りやめるための策動を日本共産党指導部は展開しているということなのである。しかし私は、それは改憲反対運動の分裂でしかなく、矮小化でしかないと思うのである。
しかしながら、赤旗声明にそうような意見をのべているのは、中核と核マル系の労働組合や市民団体に対する難癖でしかなく、はっきりいえば、日本共産党指導部の新左翼党派との縄張り荒いを後押しするものでしかないということであろう。 私は、そんなことをしている暇はなく、その無用な難癖をする暇があれば、改憲を策動しかけている側との対峙や、改憲に反対するすべての人々を手を結ぶ運動へシフトしたほうが、よほど生産的だと思うしだいなのである。いつまでも、党派の縄張り争いは、票田獲得とはわけがちがうから、やめるべきだろう。
左翼の反戦集会に、極左暴力集団が参加していた事を認め、排除するのではなく、彼らとも共闘しようとの意見が堂々と述べられている。これまでだったら考えられない事だ。この共産党の内ゲバの今後が注目される。
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