日経「捏造報道」その��
見事なテクニックの裏に隠された嘘
日本経済新聞社のこの度の捏造報道について、先ずそれを心理学的に考察しましょう。―と言っても私は心理学者ではないが、ジャーナリストとしてこれまで経済事犯や刑事事犯を追及してきた経験の中で述べて行きたい。
彼らが捏造記事をつくり上げる手法として用いたのが、昨日も紹介した詐術というものである。詐術とは…人を騙す謀(はかりごと)。偽りの狡猾な手段。
報道内容が偽りであっても、如何に読者を騙し、それを真実と思わせるようにテクニックを駆使してこれを報道するか。ある程度手馴れた人物でなければ出来ない。
報道機関がこのような詐術手法を用いて読者を騙すことは許されないことではあっても皆無ではない。マスコミとは所詮売文屋に過ぎず、そこに理性や倫理観を求めるのは間違いである。
詐術で最も重要視されるのは、そのタイトルである。衝撃的な見出しで、それは短かければ短い方が良い。それだけ相手に与えるインパクトが強いからだ。
私は読売新聞社の社会部記者としては、もうこれ以上の人は今後出ないだろうと云われた最後の事件記者・故三田一夫先生に新聞の作り方を教わった。まだ私が28歳の頃である。
三田先生が云われるには、新聞は横タイトル、縦タイトル、写真、リード文が全てであり、本文を読まなくともそれで全て読者に伝わることが最高のテクニックというものだ―と教えてくれた。
この度の日経の一面トップ記事は、まさにそれにピッタリのつくりである。先ず横見出しの一番上が囲みを入れて「A級戦犯 靖国合祀」。横は二段となっており、次が黒地に白のベタ抜きで「昭和天皇が不快感」
縦タイトルが「参拝中止 『それが私の心だ』」元宮内庁長官 88年、発言をメモの文字。そしてその手帳と問題のメモ書きの切り出しの写真、それに昭和天皇のお写真。
新聞に「捏造報道大賞」があれば文句なく決まりだ。それくらい素晴しい出来栄えである。これはとても新米記者がやれる業(わざ)ではなく、ベテラン記者がレイアウトしたものであろう。
これは政治部の仕事ではない。事件を取り扱う政治部の記者が援軍として加わったのではないか。事件報道は冷静沈着では臨場感が伝わらない。センセーショナルに伝えたかったに違いない。
なぜ、このようなことから紹介するかと言えば、ここまで演出しなければいけなかった―ということなのです。新聞社が横タイトルを二段ぶち抜き、しかも囲みと黒地ベタに白抜き文字などは、あまり例がありません。
それだけ念には念を入れなければ心配だったのでしょう。捏造報道である以上、それを暴かれる心配は常につきまとう。その恐れが紙面の構成に顕れている。
捏造報道の場合、心理的に最大の特徴を挙げるとすれば、何を訊いても答えられない―という特徴があります。そもそもが有りもしない事をつくり上げて報道するわけですから、答えられる訳がない。
これは経過を説明できないという事にもなります。今回の報道にはそれが随所に表れていますので、それを見ていくことにしましょう。
1.なぜ、手帳にメモ用紙が張り付けてあったのか?
この点に関しては、最初一枚のメモが張り付けてあった、と書きましたが、それは我々は一枚しか見せられてこなかったからです。しかし、実際にはこのメモには4という数字が上部にあることが判明しました。
2.では、何故そこだけを切り取って紹介したのか?
本来であれば、このような場合その前文は極めて重要です。なぜならばその文脈によっては、意味合いが異なることも十分に考えられるからです。
3.昭和天皇の「御言葉」とした根拠を何故示さないのか?
これも重要です。日経は元宮内庁長官が発言をメモしていたとする手帳に張り付けてあったからと書いていますが、それだけで昭和天皇の「御言葉」とするには根拠に乏しいのではないか。
4.広く公開しないのは何故なのか?
自ら第一級資料と書いているにも関わらず、「張り付けられたメモ」部分だけを公開し、全体を公開しないということは、何らかの不都合があるからではないでしょうか。
5.メモを公開した報道機関としての責務について
そもそもこのようなメモは公開を前提に存在したわけでなく、それを公開するに当たって報道機関として、それが政治的に利用される可能性を考えなかったのか?
5つに絞っても、これだけのことが挙げられる。本来であれば、このような事に先ず答えながら、この報道は行なうべきだった。しかし、この最低限のことすら守られていない。
更に言えば、何故この時期であったのか?
現在、このメモを巡って日本の新聞社の多くが、これは本物であるとしているようです。であるなら、自らが疑念を抱かせるような報道について、反省もしくは誠意ある回答をすべきでしょう。
我々が求めているのは詳しい、そして懇切丁寧な説明なのです。それに回答できなければ、それはいくら本物だと言ってもネット利用者の理解を得ることなど出来ないはずです。
現在レバノン情勢、ASEAN外相会議など大きな国際的事件がありますが、こちらの問題を優先させて続けさせて頂きます。これは日本経済新聞社への公開質問として提出予定の事項です。
皆さんにおかれましても、どのような質問を望まれるか、メールやコメントでお寄せ下さい。取り上げさせて頂きます。
昨日はついに応援クリックを頂いた方が8,600人を超えました。この問題をネット上だけの議論に終らせることなく、広く国民大衆へと浸透させるには、どのような方法が考えられるのか。その事もこれからの課題であろうと思います。
ブログ・ランキング 応援クリック宜しくお願いします!


