朝日新聞・日本の新戦略批判��
無償貢献は国家の弱体化を招く
憲法記念日特集、八ページに渡る社説21連発 ;朝日新聞
提言 日本の新戦略―地球貢献国家を目指そう
日本国憲法は今日、満60年を迎えた。この間、なにかと改憲論の試練にさらされてはきたが、この憲法が日本の民主主義や平和を支える基盤となってきたことは疑いの余地がない。
憲法記念日は「言論の自由」の記念日でもある。新聞にはかつてその自由を奪われ、あるいは自ら自由を放棄した苦い過去がある。そして朝日新聞にとって今日は、記者が凶弾によって命を奪われて満20年という格別な日でもある。
そんな日にあたり、私たちは「社説21 提言・日本の新戦略」として、一挙に21本の社説を掲げた。昨年4月から展開してきたシリーズ「新戦略を求めて」の集大成だ。
新聞を開いた読者は驚かれることだろう。8ページにわたって社説を並べたのは前代未聞の試みだ。新聞がもつ言論の役割を深く自覚したい。そんな決意の表れと受け止めていただきたい。(2007年5月3日)
〈総論〉
1.地球貢献国家
2.気候の安全保障
3.省エネ社会
4.原子力と核
5.化石燃料
6.食料の安全保障
7.アフリカ支援
〈グローバル化とアジア・イスラム〉
8.経済のグローバル化
9.通貨の安定
10.東アジア共同体
11.アジア新秩序
12.隣の巨人
13.イスラムとの付き合い
〈憲法9条と平和・安全保障〉
14.日米安保
15.自衛隊の海外派遣
16.人間の安全保障
17.9条の歴史的意義
18.9条改正の是非
19.自衛隊
〈日本の外交〉
20.ソフトパワー
21.外交力
ようやく10日間に渡った長い農作業の手伝いも終わり、明日は東京に戻ります。5月3日の朝日新聞には驚きました。冒頭で紹介したように社説を21本も一挙に掲載したのです。
農作業の手伝いやらで忙しく、読んでいませんでしたが、今日は午後から雨になったこともあって、この「提言・日本の新戦略」を読んでみました。朝日新聞社が総力をあげた、この提言に対して、これを批判する逆提言を連載で行ないます。
1番目は地球貢献国家となっています。
「地球大の様々な課題をしっかり考え、国際社会に率先して貢献する。それを通じて日本の国益を確保する」
これが基本的な考えのようです。この国際社会に対する貢献は日本一国だけのことではなく「むしろ日本は多くの国が利益を共有できる『国際公益』の広がりを求め、そこから生まれた成果を享受していくほうが賢い道だ」と説いている。
この真新しい「国際公益」という言葉を検索してみました。全ての辞書には該当しない―と出ました。即ち朝日新聞社の造語です。ただウェブサイトでは幾つかヒットしました。
その中の一つを紹介しましょう。
一般の行政学においては、「行政の価値体系において、最高の地位を与えられている」ところの「公共の利益(公益)」概念は、国民国家の枠内での共通の国民的利益であると捉えられてきた。
この論理に従えば、国際公益とは、国家の枠を超えた公共利益を意味する。
国際法では、これを「国際的共通利益」と呼ぶ。国際公益という概念は、個人の利益、集団の利益、国家的利益、国民的利益の延長線上にある。
また、利益の帰属が、国家という機構を介在とする共通利益であるのか、国家を介在せずに普遍的な人類に直接かかわる共通利益であるのかによって定義することもできる。
「国家の安全保障」から「人間の安全保障」への最近の潮流に鑑みれば、国内行政、国際行政いずれにも当てはまる市民社会の一般的利益として、国際社会全体の利益を意味する馬場伸也のいう「人類益」概念の方がより適切であるかもしれない。
www.f.waseda.jp/fukudak/syosai.htm
どうも、この「国際公益」とか「国際公共財」という概念は、朝日新聞のような「反国家主義者」を標榜するマスコミ人には都合の良い言葉のようです。
確かに我々が一つの地球と呼ばれる中に存在していることは否定できません。しかし、それは各人が一人一人存在するのではなく、そこには歴然として国家という枠が当てはめられており、その国家の中で生活を営んでいるのです。
国家を介在せずに普遍的な人類の価値観を求めるなどは、まさに地球市民的発想であり、いくらグローバル化が進もうが、この地球上から国家が消滅することはない。
時代は朝日新聞が考えるような国家なき世界などではなく、より国家が剥き出しの攻めぎあう対立の時代を迎えようとしている。このような社会の中では、国家意識なき国家は衰退する。
この朝日新聞の日本新戦略なるものは、地球貢献国家などと言って美辞麗句を並べ立てただけの綺麗事に過ぎぬ。朝日は近未来を次のように予測し、その対処の方法を書いている。
「経済大国を任じてきた日本も、中国やインドの急成長でパワーは相対的に小さくなりつつある。だが、危機感を募らせて狭い国益にこだわるなら、逆に影響力がしぼんでしまう。実りは少ない」
だから「むしろ日本は…」と先に紹介した文章につながる。
中国やインドの台頭は避けられない。しかし、だからと言って日本がこれに危機感を持つのは悪い事ではない。むしろ競争力を高めるために備えるのは当然のことであり、その戦略を考えるならば、朝日とは全く逆な発想こそ求められるべきである。
朝日は次のように書いている。
「日本が得意とするエネルギーの『効率利用』を中国、インドなどに広めれば、人々に喜ばれ、地球環境にも貢献する。日本のビジネスチャンスも膨らむ」
待って頂きたい。貢献というからには、それは有償ではなく無償を検討しているとしたら、これはまさに亡国的発想に他ならない。企業の持つ省エネ技術などは、日本の宝であり企業だけのものではなく、国民全てが持つ財産である。
それを貢献などという甘言に乗せられて無償で提供するなどとは、余りにも愚かな行為である。特に共産中国などに与えることは、日本のためにならないことは、これまでのODAなどでも明らかではないか。
地球貢献国家など真っ平ごめんである。優れた技術こそ日本が対外的戦略として、これを行使すべきであり、間違ってもわが国に脅威を与えるような国家に貢献してはならない。
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