ほくそ笑む金正日
北朝鮮制裁案が後退
常任理事国が裏取引
北朝鮮のミサイル発射に端を発した国連安保理における北朝鮮制裁決議案についてだが、当初確実と思われていた国連憲章7章による将来の武力行使も視野に入れた案は修正を余儀なくされてしまう雲行きだ。
この「7章」に言及しない決議案など、当の北朝鮮にとっては痛くも痒くもないだろう。この将来の実行力を伴った制裁案にこだわってきた日本にとって大きなショックとなったのは言うまでもない。
これで世界の桧(ひのき)舞台において、日本は昨年に続き中国に敗退した。昨年は常任理事国入りを狙ってインド、ドイツ、ブラジルなどと連携して活動したが、中国政府はこれを阻止するために全力を傾け、国内においてはあの大規模な反日デモを組織した。
今回も日本の提案に真っ向から反対を唱え、拒否権発動を匂わせながら、北朝鮮へ外交官を派遣するなどして時間稼ぎをした。この間、中国が行なっていたのは北朝鮮への説得などではなかった。それは見せかけにしか過ぎなかった。
中国が一番根回しに動いたのは、これまでもパイプを持つ米国の国務省人脈であり、何と言っても米国の最大の関心事であるイラン核開発問題において、米国との緊密な連携を図る事を約束した。
勿論、その狙いは日米の分断であり、あわよくばロシア、韓国を巻き込み「日本包囲網」の完成である。日本は北朝鮮のミサイル発射にばかりに目を奪われて来たが、同時に進行していた問題があった。
それはフランスのパリで開かれていた安保常任理事5ヶ国とドイツを交えた6ヶ国によるイラン核開発阻止問題である。西欧諸国と米国にしてみれば、北朝鮮問題よりもこのイラン核開発問題の方がより深刻である。
昨日13日にこれらの国はイランに対するウラン濃縮・再処理の全面停止を義務づけることを安保理で採択することで合意した。この採択に従わない場合は、経済制裁も行なわれる。これまでイランの制裁に反対だった中露は容認する姿勢に転じた。
もう、この会議で北朝鮮への制裁決議案が行なわれない事は事実上決定していたのであろう。ブッシュ政権内にも今回の決定は、あまりにも日本に冷淡過ぎて、今後の日米関係に禍根を残したという声も上がっている。
しかし、ライス国務長官はボルトン国連大使を強く牽制して、今回の政策決断を行なった。日本側の失望はとても言葉では言い表わせないものであろう。勿論、ここで敗北感に打ちひしがれている余裕はない。
その意味では、このイランの核開発問題に直結する中東の火薬庫であるイスラエルとパレスチナに小泉首相が出掛けたのは、日本の独自姿勢を世界に示す意味においても重要だった。
西欧諸国が選挙におけるイスラム原理主義ハマスの台頭を恐れ、パレスチナに対する援助を凍結する中で、今回、小泉首相はパレスチナに3100万�法�35億円)の人道支援を表明した。
日本が米欧と一線を画す形で、支援の継続を明確にしたことは、今回の常任理事国の裏取引に対する日本側の強い意思表示となったはずだ。
今朝の産経新聞と朝日新聞の社説を見比べると、当然ながらやはり産経に軍配を上げてしまう。
朝日は「安保理決議・一本化を目指す時だ」
東アジアにしか目を向けていない。しかも、中露案に理解。
産経は「中東情勢緊迫・日本らしい支援で貢献を」
独自の視点から日本の役割に言及
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