「愛国心」は寄せ木細工
今朝の朝日新聞のトップ記事は「愛国心は寄せ木細工―」だ。
何か、「愛国心」という言葉を軽々しく、敬意を払わずに使っている。意図的にそのような表現を用いている。いかにも朝日新聞社らしいタイトルだ。
記事の内容は教育基本法の改正で、自民・公明両党の妥協の産物として「愛国心」の表現について「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」とすることで合意したというものだ。
更に続けて朝日新聞の記事を見ていこう。
安倍官房長官は今年2月、ライブドアの堀江貴文前社長が逮捕されたことについて「やっぱり教育の結果だ」として、「教育基本法は改正しなければならない。『国を愛する心を涵養(かんよう)する教育』をしっかり書き込んでいきたい」と語った。
一方、公明党は支持母体の創価学会の牧口常三郎・初代会長、戸田城聖・二代会長らが政府から弾圧を受け、不敬罪と治安維持法違反で逮捕され、牧口氏が獄死した過去がある。「愛国心」には強い拒否反応がある。
自民党が大勝した昨年の総選挙を受け、なんとか独自色を失いたくないとの思いも根強い。 自民党は「国を愛する心」との表現を求め、公明党は「国を大切にする心」を主張した。
今回の合意は双方の立場を考慮した「寄せ木細工」のような内容だ。自民党の主張に従い「国」「愛する」との表現を盛り込んだ。
一方、公明党に配慮して「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国」とすることで、「統治機構」の色を薄めた。大島座長は記者団に「『国』という概念に(政府などの)統治機構は含まないという共通理解がある」と説明した。さらに「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」との文言も加えた。
そして「愛」と「国」の文字を使ったが、「心」という文字はあえて入れなかったという。
「愛国心」という言葉は葬られた。公明党が強く反発していたので、このような結果になってしまった。「愛国心」という文言を改正文に盛り込めない…、これは明らかに自民党の敗北だろう。
私はこの教育基本法の改正問題に強い関心を持ち、平成12年の10月から約5年間に渡って『教育施設レポート』なる新聞を発行し、文科省関係者に配布してきた。この教育基本法の改正の動きは、森前首相時代から具体化していった。
森首相(当時)の私的な諮問機関として発足した「教育改革国民会議」(座長・江崎玲於奈芝浦工大学長)が現行の教育基本法は改正すべきと政府に答申したのを受けて、当時の遠山敦子文科省大臣が教育基本法の改正と教育振興基本計画の策定について、中央審議会(会長・鳥居秦彦前慶應義塾長)に諮問を行なってきた。
ここまで来るのも、このような手続きを経て行なわれてきたものであります。改正の必要性をここで説明することはないだろう。日本が戦争で敗れた直後の昭和22年に制定され、これまで一度も改正されることなく放置されてきたのであった。
今朝の朝日新聞と公明党の横槍を取り上げて論じたい気持ちもあるが、この問題を見守ってきた私としては、どうしてもこの前述した諮問機関「教育改革国民会議」の時点にまで時計の針を戻して、皆さん達に紹介したいことがる。
この「教育改革国民会議」が発足すると、我が国の左翼と朝日新聞などの「反日勢力」はこれを潰そうと一斉に批判を集中させた。
戦後の反体制運動のオピニオン的リーダーであった岩波書店は、発行する雑誌『世界』において、平成12年11月号で「本当の教育改革とは何か」という特集を組んだ。その中には「教育国民会議の正当性を問う」という文章があった。
この文は波本勝年という大正大学の左翼教授の論文で、「法的根拠がなく、首相の単なる諮問機関に過ぎない」とした上で「教育基本法を論じる資格はない」と断じて批判していた。
このあまりにも独善性丸出しの批判には当時驚いたものである。
「論じる」ことさえも許さないといった主張であったからだ。議論することさえも許さないとなれば、彼ら左翼が口にする「民主主義」には全く反するものではなかったのか?
この雑誌・世界を発行している岩波書店などは、歴史教科書から参考書、関係する書籍を多数発行しておきながら、「論じる」ことさえも許さないという主張を展開していた。
これこそ彼ら左翼が常々批判するファシズム以外の何物でもなかった。当時、私はこれらの動きに真正面から批判を加えた。
確かに不満の残る改正案となってしまった。しかし、ここまでの長い戦いの軌跡を思う時、ここは関係者には「ご苦労様」と言わなければならないのかも知れない。特にご苦労されたノーベル物理学賞受賞者でもある、江崎玲於奈先生には感謝の気持ちを表したい。
しかし、それにしてもいつもながらの朝日の主張には怒りを覚える。
99年に成立した国旗・国歌法をめぐって当時の小渕首相が「児童・生徒の内心にまで立ち入って強制するものではない」と国会で答弁しながら、卒業式での国歌斉唱での起立が事実上強制される動きが出ている。教育基本法も改正されれば、「愛国心」教育が強制されるのではないか、という懸念は消えない。
朝日よ、もういい加減にしてくれ。なぜ、そんなに日の丸と君が代が気に食わないのだ。「愛国心」を育てるからだそうだが、ではなぜ「愛国心」がいけないのか、分かりやすく説明して欲しいものだ。
※この教育改革の合意については、問題が多過ぎます。今後その問題点については追及していきたいと思っております。
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