資本主義と国家社会主義
米国・オバマ大統領が金融規制案に署名
名古屋での討論会の後、懇親会の席上で、ある参加者から質問を受けた。
「国家社会主義って何でしょうか? 私は証券会社に勤めているので、資本主義のことは何でも分かるが、国家社会主義だけは理解出来ない」
この参加者は国家社会主義論者を資本主義に敵対するマルクス社会主義者と同じように見ていた。資本主義の転覆を目指す左翼と同列に見られてしまった訳ですが、この時酒の席でしたので簡単に説明させて頂いた。
国家社会主義者とは資本主義を絶対に正しいものとは考えていない。資本主義は時には暴走し、国家を破滅へと導く可能性だってある。
よって、そのような資本の暴走を常に監視し、時には資本の横暴を政治的な手段を行使して規制を加える。それは国家・社会の秩序ある発展を考えた時には認められるものであり、その必要性は現代社会においても何ら変わらない。
そのような説明をさせて頂きましたが、それが現実に米国において行なわれました。
1930年代のあの世界的な金融恐慌以来初めてと言われる金融資本に対する大規模な規制強化案が米国で成立しました。
asahi.com(朝日新聞社):米上院が金融規制改革法案を可決、来週に ...
[ワシントン 15日 ロイター] 米上院本会議は15日、金融規制改革法案を60対39の賛成多数で可決した。法案はオバマ大統領に送付され、大統領の署名を経て成立する。 ホワイトハウスは、来週 ... 米上院が金融規制改革法案を可決、オバマ大統領が署名へ ...
7月21日、オバマ米大統領(右)が金融規制改革法案に署名し、同法が成立した。 ... [ワシントン 21日 ロイター] オバマ米大統領は21日、金融規制改革法案に署名し、同法は成立した。 ... オバマ米大統領、金融規制改革法案に署名(ウォール ...
この規制法案の狙いはズバリ、金融市場を規制し投機を縮小させることにあると思います。自由な市場経済を基本としてきた米国において、このような法案が成立したことを高く評価したい。
また、このことによって歴史的に過去の遺物とされた国家社会主義の理念が決して間違っていないことが証明された点も良かったと思います。
ただし、日本においてはこのオバマ政権が進めた一連の経済政策を批判的に捉える人たちがいることも事実です。これで日米などの株式市場が一気に冷え込んで、更に不況が深刻化するのではないかという主張です。
資本主義絶対論者にしてみれば、資本(富)を敵対する考えが根底にあるから、このような規制という手法を用いるのであって、それは自由な経済活動を阻害するので許されないという考えです。
しかし、世界的な金融不安の原因を突き止め、それに対応することは、未来の世代に対して責任を負うということです。つまり政治とはそのようなものであるからこそ、その機会を逃してはならないということでしょう。
自由経済主義は絶対ではない。それが破滅的な道を選択しないように、常に監視していかねばならない。危機を放置することこそ無責任であり危険なことなのです。
但し実現性を疑問視したり懐疑的に見ている人も多いのは事実です。しかし、1980年のレーガン政権以来の米国社会における<新自由主義経済>がこれで30年ぶりに転換されることになったことだけは確実です。
資本主義社会が続く限り、その是正・修正を国家の名において求める国家社会主義の理念と行動は、戦前戦後を通して一貫しており、それは時代の変遷と共に形を変えるが本質は何ら変わらないと信じるものです。
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