「来年夏の衆参同日選挙」輿石発言を考える。
政界に波紋を投げかけた老獪な政治家の狙い。

どう見ても一筋縄ではいかない。この老獪な政治家の言葉が永田町で波紋を呼んだ。本来解散に関することは首相の専権事項であり、他の人物が話すべきではない。そんなことはこの男にとっては重々承知の上での発言だった。
この輿石という男がこの幹事長という地位まで上りつめたのには、やはり理由があるただの強(したたか)さだけではない。周りの空気を読み取る能力があったと思うし、それが今回存分に発揮されてしまうのではないかという懸念です。
野田首相にしてみれば消費増税を今国会で成立させ、衆院選挙を行なって自民党との連立を模索していた。所謂“小沢抜き”の政治です。それを感じ取っていたからこそ小沢は激しく反発していた。かつて増税に理解を示していたこともある小沢にとっては、自分が排除されることが一番の反対の理由であったと思う。
その小沢だが無罪判決を勝ち取り、次期民主党代表選に出馬して、生き残りを賭けてきたのは明らかだったが、そのシナリオが完全に狂ってしまった。一審無罪となったが高裁に控訴されてしまう。もう、代表選挙への出馬は不可能となった。
これまで民主党執行部は消費増税を成立させ、小沢が代表選に出馬する前に解散する戦術だった。しかし、それは民主党単独政権から滑り落ち、自民・公明との連立政権に加わることでしかなかった。
選挙になれば民主党は大敗する。水ぶくれの中身の多くは小沢派議員である。小沢派がいなくなれば、それも仕方がないと考えていたと推測された。しかし、本音はあくまでも自分達が政権の座に留まっていたい。
輿石幹事長はその本音を嗅ぎ取って揺さぶったのである。つまり、同日選挙となれば後一年以上は現在のままでいられる。国民にとっては大変迷惑この上ないことですが、議員心理としては本音では大歓迎である。
近く野田首相と小沢一郎の秘密会談が行なわれるかも知れない。
小沢は大幅な消費増税の改革案を提示、それを野田首相が受け入れるという、まさに茶番劇である。これで両者が合意すれば、少なくとも“話し合い解散”は消えてしまい、野田首相は今後一年は続投となる。
これで慌てているのが自民党である。消費増税に協力して話し合い解散で政権奪取を試みたものの、見事にその作戦は肩透かしを食らってしまう。裏で自民党との連立を工作していた、前原や仙谷なども裏切られることになる。
そのように政局が流れて行くのではないか?
現在、永田町ではその波紋が広がり始めた。選挙を急ぐべきではない。遠のけば遠のくほど大阪維新の会もボロを出す、今やって得することは何もないとなれば、消費増税の大幅な実施時期の先延ばしか、内容の大幅な変更だってあり得るということです。
もう一年民主党政権が続くなど、本当に迷惑な話ですが、輿石を甘く見てはいけないというのも事実です。しかし、今の自民党には追い込むだけの迫力が全く感じられないのも残念ながら事実です。
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