福島県知事選挙の情勢
脱原発を掲げた福島県の復興は完全に破綻していた。
佐藤知事不出馬、内堀副知事立候補は既定路線か、中間貯蔵施設受け入れを巡って国と県が密約の疑いも出てきた今回の不可解な知事選を巡る動きを振り返る。
佐藤雄平福島県知事の3選不出馬表明と内堀雅雄副知事の擁立は、表面だけみれば唐突な感もしないではないが、事情を知る人の間では、練りに練られた戦略でこれは既定の路線であり、このシナリオを描いているのは当の佐藤知事その人であると主張している人も多い。
それは一連の流れを振り返ってみれば歴然としている。時系列的にそれをまとめてみる。
8月31日
知事が中間貯蔵施設の受け入れを表明。大熊・双葉両町長も了承
9月1日
政府への受け入れを伝達。 福島市で石原環境相大臣と根本復興大臣と会い、安倍総理との会談日を調整。
9月2日
安倍首相と佐藤知事が対談と大きく報道。知事は「責任ある支援要求」と首相に要望
9月5日
佐藤知事が3選不出馬を表明。次期知事選候補については「県政の継続性と私の意志を継ぐ人が相応しい」との見解表明
9月6日
双葉町村会が内堀副知事への知事選出馬を要請。内堀副知事は「立候補は選択肢」と答える。
自民党本部が県連が擁立する鉢村健氏の事務所開きに圧力
9月7日
民主党福島県連は内堀氏の擁立を確認。鉢村氏は再び自民党本部に支援を要請
これらの動きを順序で追って行くと、中間貯蔵施設の受け入れを巡っ政府の思惑と佐藤知事の思惑、更には双葉郡内の自治体の思惑が透けて見える。先ず佐藤知事だが「県政の継続」との言葉の裏には自分の後継者に知事の座を譲り渡したいとの考えがある。
原発事故以来の佐藤県政の功罪に関しては検証しなければならないが、その点に関しての継続性云々はそ自分のこれまでの県政運営に対しての批判を封じ込めたいという必死さが伺える。
佐藤知事が一番恐れているのは何か?
そのことに対して考えて見たい。それは自らが福島県の将来像として描いて見せた「原子力に依存しない社会づくり」である。佐藤知事は未曾有の東日本地震にも耐えて自動停止した福島第二原発を含む県内原発10基全ての廃炉を東電に求めてきた。
誰しもが反対しづらい状況の中での決定であり、県議会もこの知事の方針には逆らうことが出来ずに県議会でこの県内原発全基廃炉を決定してしまう。この方針決定は民主党の菅直人当時の首相が勝手に何の科学的根拠もない福島原発事故をチェルノブイリの被災事故レベルの7にまで引き上げ、浜岡原発を稼動停止に追い込んだ手法と似ている。
かつて、佐藤知事は東京電力の第一原発3号機のプルサーマル発電に関して、東電が原発のトラブル隠しを続けていたので2002年から稼動が停止されていた。この停止に踏み切って再開に同意しなかったのは佐藤栄佐久知事であったが、その知事の金銭スキャンダルの発覚と辞任を受けての出直し選挙で当選したのが佐藤雄平知事だった。
その佐藤雄平知事がそのプルサーマル発電に関しては条件つきで受け入れを表明した本人である。原発推進派の佐藤知事が反対に回ったのは今回の大地震が原因であり、そのことを殊更に責める気は毛頭ないが、それらの経緯を追求されることを恐れて転進を図ったと思われても仕方がないだろう。
原発を全て廃炉に追い込んだ後に一体何があるのか?どのような福島県の復興を描くのか?残念ながら明確な指標を現すことなく引退することとなった。脱原発というスローガンをあげては見たが、ではどのような未来の福島県になるのかを描ききれてはいなかった。
つまり、自民党が推す鉢村氏が知事に当選してしまうと、自分の進めてきた県政が必ずしも成功していないので、そのことに対して問題にされるのが一番怖かったと言える。
100万キロワット太陽光発電構想 5000億円規模 知事21日国に予算要望
福島県は復興ビジョンの柱とする「脱原発」と再生可能エネルギーの集積に向け、県内に発電可能量計100万キロワット分の大規模太陽光発電施設の立地を目指す。復興ビジョンを推進する今後10年間での実現を視野に入れ、佐藤雄平知事が21日、国に対し第三次補正予算案で5千億円規模の財源を確保するよう要請する見通しだ。
構想では、大規模な太陽光発電施設を本県復興のシンボルに位置付け、浜通りを中心に県内各地に数万キロワット級の太陽光発電施設を計100万キロワット分集積する。関連産業の誘致、最新の技術開発、企業の新規参入を促し、本県産業の再生と被災者らの雇用の場の確保につなげる。
100万キロワットは東京電力福島第一原発6号機(双葉町)の出力110万キロワットに匹敵する。「メガソーラー」と呼ばれる1千キロワットの施設一カ所につき約7億円の建設費がかかるとみられる。県は5千億円を財源に基金を創設して新たな補助制度をつくり、県内外の企業を誘導して発電施設の建設を進める。集積した発電施設を核に国や民間の試験研究機関、関連産業の誘致を促進する。
太陽光発電施設は1千キロワット当たり三ヘクタールの敷地が必要となる。100万キロワット分の施設面積は計3千ヘクタールに及び、用地確保が課題となる。県は耕作放棄地の活用などを検討するもようだ。
太陽光のほか、風力、小水力、バイオマスなどの再生可能エネルギー産業をはじめ、輸送用機械、半導体、医療・福祉機器など関連産業の振興にも努める方針。
県内で現在稼働している太陽光発電施設は、矢吹町のレンゴー福島矢吹工場の1535キロワットが最大。南相馬市の東北電力原町火発では約1千キロワットの太陽光発電施設の建設計画もある。
(2011/07/15 08:00)
最大の失敗は原発事故後に打ち出した100万キロワットの太陽光発電構想でした。1年経ってその余りにもお寒い現状が明らかとなった。この構想で福島県が受け付けた件数の中で、実際に動き出したものは5・6%未満でしかなかった。
経済産業省が発表した数字によれば、福島県は昨年7月時点で全国3位の126万1382キロの計画が進められていたが、実際に運転を始めた太陽光発電は今年1月でわずかに7万192キロに過ぎなかった。1割以下の数字である。原発1基分の出力は100万キロワットですから、福島県は再生エネルギーで原発1基分をまかなう筈でした。
都道府県別では一番広大な土地があるのは北海道、平地の割合が大きい茨城県に次ぐ計画が立てられたのに、実際に運転が始まったのは全国平均の17・3%を大きく下回る5・6%に過ぎなかった。
これで原発のない福島の再生とか原発に頼らない福島県などと良く言えたものである。脱原発を掲げた福島県の復興など完全に破綻していたのである。この点を追求されるといかに佐藤県政など絵空事だったかがばれてしまうのです。
さて、ここで毎日新聞社の社説を紹介します。普段は毎日新聞などは評価したことがありませんが、この社説だけは別です。
社説:中間貯蔵施設 「金目」頼りに陥らずに
東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設建設を巡り、政府が思い切った判断を示した。住民の生活再建や地域振興のため総額3010億円の交付金を新たに拠出するという。
福島県や候補地の大熊、双葉2町は一定の評価をしており、政府が目指す来年1月の一部供用開始に向けて自治体との協議は一歩前進した。
しかし、石原伸晃環境相の「最後は金目(かねめ)でしょ」発言もあり、地元から政府への不信感が消えたわけではない。施設候補地の具体的な買い取り価格はいまだ提示されておらず、交渉の行方は不透明なままだ。2町の町議会は「拙速な判断はしない」よう両町長に申し入れている。
政府には「金目」頼りに陥らず、施設の必要性や安全性、地域の将来像について説明を重ね、地元の理解を得ていくことが求められる。
中間貯蔵施設は、福島県内の汚染土などを最長30年間保管する。貯蔵量は最大で約2550万立方メートル(東京ドーム20杯分)で、政府は福島第1原発を取り囲む2町の計16平方キロを国有化し、整備する計画だった。
だが、地元は施設が最終処分場になることを心配し、「先祖伝来の土地を手放したくない」などの反発が出た。このため、政府は全面国有化を断念し、希望する地権者には30年間を期限に地上権を設定し、所有権を残したまま国が土地を利用する方法を取り入れることにした。30年後の県外最終処分も法制化する。
これらは住民感情に配慮した妥当な対応と言えるが、新たな交付金額に関する協議は、1000億円規模に抑えたい政府と1兆円規模を求める県側との間で難航した。
政府提案では、総額2500億円の交付金を福島県や2町に一括交付する。原発事故後も特例として地元自治体に交付されている「電源立地地域対策交付金」を年間17億円増額し、30年間継続交付する。
原発事故で最も大きな影響を受けた福島県に手厚い財政支援が必要なのは当然だ。政府は交付金を自治体にとって「極めて自由度が高い」と説明し、「最大限の額」だという。だが、算定根拠は示されていない。
2町の大半は帰還困難区域であり、復興の具体的な絵姿があってこそ資金は生きる。復興庁は「両町の復興に向けた基本的な考えを作成し、中長期・広域の視点に立った避難地域の将来像の検討を行う」とするが、予算措置は本来、将来像を踏まえて行われるべきだ。
巨額の交付金は電気料金や税金として国民が負担する。国や自治体は使途を具体的に明らかにし、福島の復興を果たす財源として効果的に活用してもらいたい。
毎日新聞 2014年08月10日 02時31分
引用終わり
この点に関しては毎日新聞社のこの社説を書いた人と全く考えは同じだった。

放射性物質に苦しんだのは浜通りの人達ばかりではない。むしろ福島市の方が浜通りの地区よりも空気中のセシウムの数値は高かった。それがこの記事でも明らかだ、しかし、原発から離れていたと言うだけで、浜通りより対策は遅れて始まった。
この福島に限らず伊達市や郡山市には除染された土地などが大量に保管されています。仮置き場というところに置かれているのですが、それを浜通りに建設する中間貯蔵施設に移すといいますが、その費用は軽く見積もっても数兆円もかかる。
浜通りまでダンプで運ぶのに何台必要になるのか?そんなことを考えるならば福島や郡山、伊達市などに建設すればよいのです。そうすれば浜通りだけでなく、県内全域に資金はくまなく分配されます。
一部の地方のボスと福島県の県庁幹部が結託して更に巨額な天文学的な政府の資金を使って行おうとしていることにもっと国民は関心を示さなければならない。これらの費用は全て国民の所得税から強制的に徴収されているのです。
政府というか自民党本部が自民党県連の推薦する候補者を降ろす画策をして、それに官庁幹部が裏で暗躍する。浜通りの市町村は原発交付金でこれまで潤ってきた事実から目をそらしてはならない。
私の居住する福島市の中には0・2マイクロシーベルトとい数値のところがたくさんあります。それ以下の浜通り地区はたくさん見られる。どうしてそこに住民は戻らないのだ。除染が遅れているからと口を揃えるが、そんな除染はもう必要なくなっている。
中間貯蔵施設が出来れば、それを口実に村や町には戻れないと言い出すに決まっている。毎日新聞の社説はそれを見越して書いている。原発に頼らない福島県を目指すなら、そこには中間貯蔵施設ではなく、自然再生エネルギーの大規模な発電基地を作るべきだ。太陽光発電だけではなく、バイオ発電だって可能だろう。
作物を植え付け、それでバイオ発電所を作ればいい。それこそが本来の脱原発の目指すべき姿である。それをしないから、税金が無駄に使われているに過ぎないのだ。
放射性物質を集めた除染の土は安全宣言を出すべきであり、その地で一定期間保管しておけばよい。その資金は各市町村に平等に配布して知恵を出してもらうべきである。わざわざ遠くまで運んで撒き散らす必要など何処にもない。
9月2日
安倍首相と佐藤知事が対談と大きく報道。知事は「責任ある支援要求」と首相に要望
これは自民党本部の擁立した候補者を推薦しないで、私佐藤雄平の後継者を応援して欲しいと聞こえてしまう。勿論そんな事はないだろうが、そう聞こえてしまうほどにやっていることは怪しい限りだ。
原発再稼動を最大の政治課題とする政府・自民党が「脱原発」を訴える人物の後継者に相乗りするようなら、もう自民党に大義などある筈もない。自民党本部は一体どうするのだろう?
正々堂々と自民党県連と立場を同じくして知事選挙を戦うべきである。福島県庁のお役人と結託しての税金垂れ流しなど絶対に許せない
