「日中関係を重視」強調=軍事的脅威論にも言及−前原民主党代表講演
【北京12日時事】中国を訪問している民主党の前原誠司代表は12日午前、北京市内の外交学院で講演した。小泉政権が日米関係重視に大きく傾斜していることを念頭に「米国か中国か、日米同盟重視か国際協調重視かという二者択一にはくみしない」と述べ、民主党として日中関係も重視する立場を強調。また、1995年の村山首相談話を基礎に、「隣国との未来志向の関係を築いていく」と語った。
ただ、「中国を軍事的脅威であると見なす声が増えている」と指摘し、軍拡競争回避のため、軍事面の透明性向上や、自衛隊と人民解放軍の交流拡大の必要性も訴えた。これに関連して質疑応答で前原氏は「海・空軍力、ミサイル能力が飛躍的に向上していることに脅威を感じている」と語った。前原氏は先週訪米した際にも、「否定し難い事実」として、中国の軍事費増加を「現実的脅威だ」と明言している。
(時事通信) - 12月12日15時0分更新
前原民主党代表の発言を断固支持!
これまで与党の動きに対して対極の立場から対立軸を鮮明にするのが野党の常套手段であった。
もし、現在の民主党代表が前原誠司ではなく菅直人であったとしたら間違いなく中国のご機嫌を伺う歴訪に終始したであろう。しかし、世の変動を見据えた如く選出された若きニューリーダーは与野党の差異を明らかにすることよりも、国益に沿った対外姿勢に重きを置き始めたのではないか。その意味で、今秋の野党・民主党内における政変劇は今後、我が国の政治史に刻まれるほど大きな意味を持つのかも知れない。
前原民主党代表が中国の軍事力増強を「現実的な脅威」として批難したことに示されているように、今や時代は与野党が一丸となって中国や北朝鮮という外敵に対峙せざるを得ない事態を迎えている。
そうした状況下で前原代表の一連の発言は、靖国問題を基軸に日中関係の是正を図る小泉純一郎首相を強く援護するものとして大いに評価されるべきだ。
「靖国問題はもう外交カードにならない」「靖国参拝をおかしいと言う方がおかしい」と述べ、中国に対して対日姿勢の転換を要求する小泉首相だが、前原発言を受け、より日本としての立場を強く表明しやすくなったと言えよう。
事実、中国の軍事力を駆使した日本周辺海域における行動は脅威である。それにとどまらずチベットや新疆ウイグルに対する武力弾圧、台湾への恫喝行為に領土的野心と覇権主義拡張の意思が十分に示されていることに異論はないのではないか。
対立軸を誤まっては国民の信頼を失うだけだ!
問題は我が国の出方であるが、小泉首相はブッシュ大統領との関係はこれまでの日米関係以上に緊密で、強固な日米同盟を堅持することに成功している。中国が提唱する東アジア共同体なる構想に日本がどのようにコミットするにせよ、日米同盟が強固であればあるほど我が国を通じて米国の意思も介在することになり、東アジアの安定に寄与するだろう。それが対北朝鮮協議にも有利に表れていることは言うまでもない。
さて、そうした中国の動向が、かつて欧米列強の影響力を排し大東亜共栄圏の実現を目論んだ日本の姿と折り重なると指摘する向きもある中、極東アジア地域における有事も十分想定される。共産主義の脅威がより実際的な脅威として台頭する状況を踏まえ、その対処についても与野党間で差異はないはずだ。むしろ、対立軸を鮮明にすることで政争の具にする状況があってはならない。
然るに我が国に求められるべくは与党よりも強硬姿勢に出得る強力な野党の存在であり、こと対中国外交においては、それこそが与野党間の対立軸であるべきだ。
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