中露演習「北朝鮮防衛」想定・米専門家分析
来日中の米保守系シルクタンク「へりテージ財団」研究員で中国専門家のジョン・タシク元米国国務省情報調査局中国部長は1日、時事通信社と都内で会見し、中国は北朝鮮の独裁体制を存続のためには、北の核兵器を認める考えを抱いていると指摘。今年8月に実施されたとする山東半島での大規模な中露合同演習が、実際は「北朝鮮防衛」を想定したものだったとの情報分析を明らかにした。 (世界日報・12月2日)
この中露軍事演習については、当ブログでも『世界戦略研究所』の情勢分析として紹介した。
http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/30460962.html
各報道機関が台湾有事を想定した軍事演習などと報じる中で、当『世界戦略研究所』は「米国抜きの南北朝鮮統一を視野に入れた策動」と解説した。ロシアと共産中国は北朝鮮の崩壊を一番恐れており、そのような動きがあった場合は、ただちに北朝鮮に介入する密約が中露の間で取り決められており、そのための予行演習であったと考えられた。我々の分析は当時は少数意見に過ぎなかった。
例えば読売新聞社などは次のように報じていた。
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★“台湾有事視野”中露の軍事演習、本格的な実戦訓練に
【北京=末続哲也】新華社電などによると、中国とロシアによる初の
合同軍事演習は3日目の20日、舞台を露極東ウラジオストクから
中国の山東半島や周辺海域に移し、本格的な実戦訓練に入った。
演習の「第1段階」の18〜19日に行われた図上演習を踏まえ、
25日まで海上封鎖や上陸作戦などの訓練を行う予定で、「台湾有事」を
視野に入れたと見られる大規模演習が一気に熱を帯びる。
中国側の報道によると、演習の「第2段階」の20〜22日は軍部隊の
移動、展開などの訓練を、「第3段階」の23〜25日には交戦実施訓練を、
それぞれ行う。演習には、中露双方の1万人近くが参加し、うち7000人以上が 中国兵という。
中国系香港紙・文匯報によると、20日以降の実戦訓練では、
露空挺部隊が、中国軍との連携をとりながら、「敵の後方」へ降下する作戦や、 露太平洋艦隊による上陸作戦などを行う見通しだ。
また、露軍の超音速爆撃機Tu22Mや戦略爆撃機Tu95が海上の「標的」を ミサイル攻撃する演習も予定されているという。
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他の大手マスコミも同様の扱いであったが、我々は中露の軍事演習は、「北朝鮮防衛」を想定した予行演習との分析をしてきたが、米国の専門家筋の分析と一致したことは、ある意味で我々の正しさを証明している。
また我々は北朝鮮が崩壊したら、そこには「親米政権」の誕生する可能性にも言及してきた。よって共産中国は現在の北朝鮮が独裁体制を維持することを望んでいるとの分析も当ブログで披瀝してきたところである。
http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/31101887.html
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冷戦構造がとうに崩壊した世界情勢の中、極東アジアのみが共産主義独裁国家群と自由主義圏が対峙する不穏な空気を漂わせている。こと日本の場合、尖閣諸島をめぐる領有権争いや東シナ海における油田開発をめぐる衝突、さらには原潜侵入事件など対中関係で抱える懸案事項は多いだけに共産主義の脅威はより現実的な、より実際的なものになっていると言えよう。そうした極東アジア
情勢において北朝鮮の体制存続は中国共産党の存続をも左右しかねないだけに、その動向は死活的な重大局面と言えよう。
タシク研究員によると中国の胡錦濤国家主席は党指導部に対して「北朝鮮は政治的に一貫して正しい」と常々述べており、党宣伝部に対しては「北朝鮮の社会主義イデオロギーによる独裁体制維持能力を学ぶべきである」と指導しているそうだ。また、先の中露軍事演習は米国が対北朝鮮武力制裁に踏み切れば、中国人民解放軍が武力介入によって北朝鮮防衛に動くことを示す狙いがあった
と分析。北朝鮮が自国の安全を保ち、極東アジアの安定を築くには「北朝鮮が核を保有することも容認する」と述べたと伝えている。
これは即ち中国は如何なる形であろうとも北朝鮮の独裁体制を望むとの意思表示と見て間違いない。かねてより識者が指摘しているように、万一、クーデター
などで現体制が転覆されるような事態にならば武力介入によってこれを排除することを意味するものだろう。その逆も然りだ。金正日体制が米国との二国間協議によって体制保証でも取りつけようものなら武力介入によって親中国的な新体制樹立をもためらわないという北朝鮮への牽制でもあろう。
国内では絶対的な独裁体制を敷く�犇皺δ��瓩世�、社会主義イデオロギーによる統治を行なう上で便宜的に用いられた�犒豢抬瓩鵬瓩�ないことは今や北朝鮮以外の世界では常識である。
核の保有についても同様だ。中国の対米政策を有利に進展させるものであるなら北朝鮮の核保有さえ容認するであろうし、状況の変化によっては、台湾や韓国さらには日本へと波及しかねない北朝鮮の核保有を「極東の安定を構築するため」との大義名分の下に排除する措置(武力介入)さえためらわぬであろう。
もとより南北朝鮮半島の統一は、国内に朝鮮民族の自治区を抱える中露両国にとって決して好ましくはない。ブッシュ米大統領がイラク政策に関する先の演説
で「部隊撤退の人為的なタイムテーブルは誤りだ」と述べたように、米国が当面は中東の安定に注力せざるを得ない状況から、かねてより専門家によって指摘されていた通りに極東情勢が動き出したものと考えられる。
そうした状況下で我が国は、小泉純一郎首相の靖国神社への参拝によって中国、そして最近とみに親北朝鮮傾向にあり情緒的な統一論に酔う韓国との外交が冷え切っているとの指摘もあるが、きな臭さを増す周辺国に安易に迎合しない小泉政権の外交政策はおおよそ成功していると言えるのではないか。
何より世界唯一の同盟国たる米国との関係はこれまで以上に親密且つ強固なものとなった。
我が国が極東アジア情勢において、より主体的な役割を果たそうとする上では極東で唯一の親日国家の存在を欠かせない。「台湾」である―。
日本のみのために米国に戦ってくれというスタンスでは到底、極東アジアにおける主体的な政策や戦略など打ち出せるはずもない。
「台湾を含めた極東アジアの安定ひいては世界の安定のために共に戦う」
これこそが日米同盟そして対極東アジア外交の根底にあるべきで、日米共同覇権の基軸はそこにあるべきだ。
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