米・中が北朝鮮の金独裁体制を保障、日本は苦境に立たされる。
2月末に訪朝した中国共産党の王家揣・対外連絡部長と北朝鮮の金正日総書記の間で、「朝鮮半島の非核化の目標を堅持し、6カ国協議から離脱しない」との約束が既になされており、今回の合意はある程度は予想されたことだった。
北朝鮮の非核化は1991年12月31日に韓国と北朝鮮の間で締結されたもので、故金日成時代に行なわれたもので、共産中国は何時間もかけて説得を試みた際に、この「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」を持ち出した。
つまり、現在の北朝鮮の独裁者・金正日総書記を、唯一黙らせることが出来るのは親父である故金主席の遺言なのである。これを持ち出されたら金正日も従わざるを得ない。
今回の共産中国の6カ国協議にかける決意は並々ならぬものがあった。
その辺りのことについては、当ブログで書いているのでそちらも見て頂きたい。
今回の6カ国協議合意が示すものは、米中がとりあえずは現在の北朝鮮の体制存続について保証を与え合ったという事だろう。人権抑圧の恐怖独裁体制の崩壊を目指す米国だが、国内のハリケーンとイラク派兵問題という「内憂外患」でそれどころではなかった。
一番安堵しているのは共産中国であろう。北朝鮮の友好国であり、今回の6カ国協議の開催議長国である中共は、表面上は話し合いによる外交努力を主張していたが、自国の利益のためには「金正日体制を斬り捨てても構わない」という固い決意で会議に臨んだ。
この固い決意が北朝鮮に「核の放棄」を確約させ、米国の譲歩を引き出したといえる。今回の6カ国協議の合意によって、共産中国の東アジア地域における影響力は更に拡大した。
米国の世界戦略の中では朝鮮半島からの撤退を視野に入れ、最終的には朝鮮半島が共産中国の「戦略支配下」になる事を容認したとも受け止められる。
この点は日本外交にとっては死活問題となる、日本は米国が撤退を決意した朝鮮半島問題で、どのような関与が可能なのか。日本と北朝鮮の間には日本人拉致問題や正常化交渉問題が取り残されたままだ。
朝鮮半島の将来を見据えた日本独自の外交とは果たして可能なのか?
米国がこの地域からの静かなる撤退を進め、米国が共産中国と互いに「戦略的パートナー」として認め合う中で、日本が孤立する危険性は強まった。
これまで我が国に長期的な国家戦略が果たしてあったのか?それが今日改めて問われているのだ。昭和20年の敗戦と同時に朝鮮半島との政治的関係は糸が切れた凧のように完全に断たれた。
そして何よりもハッキリしている事は“政治的”な関心を全く示してこなかったという点だ。“政治的な関心”が“政治的な関与”に繋がることを恐れたからである。対して経済的な関心は戦前の比ではない。経済的な関与も行なわれてきた。今このギャップを考え直すべき時である。この両者のあまりにも不均衡な「跛行」を糾さなくてはならない。
とりあえず、どこから手をつけるべきなのか?
日本企業の進出と「理念なき経済援助」を再考しなくてはならない。日本が唯一相手に行使できる戦略を国益の観点から見直すことが大切である。
「蚊帳の外」に置かれ、ややもすれば、米国からも見捨てなれかねない、そんな崖っぷちの状況だからこそ、民族の叡智を振り絞る時である。
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