イスラム原理主義の過激テロ事件は今回のエジプトに限らず、中東や、いやイスラム圏と称される全地域において活発化している。このイスラム原理主義を更に詳しく分析してみよう。
現在、イスラム原理主義を掲げる国家はイラン、スーダンなどでイスラム圏においても極めて小数である。しかし、イスラム原理主義勢力が一定の力を持つ国家はヨルダン、パレスチナ自治区、トルコ、旧アフガンなど、かなりの数にのぼる。
また、国内においては体制側と武力闘争を繰り広げているエジプトやアルジェリアなどではかなりの支持者を持つと言われている。なぜイスラム原理主義者が民衆の支持を受けているのか、実はその解明が最も重要な点であろう。
現在地球の人口は爆発的に増えており、3ヶ月で約1千万が増加している。これらの人口増加地域は、そのほとんどが開発途上国の中東アフリカなどであり、この人口増加問題と原理主義やテロ事件は因果関係にあると考えられる。
3ヶ月に1千万人と言えば、ちょうど日本の首都・東京が3ヶ月に一つづつ誕生するということであり、これは驚くべきことだろう。1千万人の人間が生活する都市空間というものは永い年月を経て創り出されるものであり、そう簡単にできるものではない。
しかし、現実に世界は統計上はそのような数字となっており、爆発的に増え続ける人口は都市へ集中する。しかし、そこにそれだけの人々を養うだけの仕事も無ければ、快適な生活圏もない。
そのような都市に生まれた若者は一体、何に希望を見出すのであろうか。
スラムと化した街を支配するのは貧しさであり、その貧しさに打ちひしがれた荒んだ若者らの心の中に、自然に入り込んでしまうのがイスラム原理主義の理論である。
イスラム原理主義者は、現代の貧しさは現体制の権力者が「腐敗した背教者」によってもたらされたとし、この腐敗社会からの決別と理想社会を目指しての聖戦(ジハード)に立ち上がることを教える。
腐敗した背教者と戦い、理想社会としてのイスラム共同体を実現するためなら、命を投げ出すことも厭わない。
そうした若者には殉教者として最高の名誉が与えられる。
何故、自分達が貧しいかと言えば、それは西欧列強諸国やキリスト教文明社会が自分達を搾取するからだと教えられる。現在の社会はキリスト教文明による侵略を受け、この侵略からイスラム圏を守らねばならないという宗教的使命感を強く持っている。
