胡錦濤とプーチンの連携は日米同盟の揺さぶりが狙い
共産中国の世界戦略はアジアにおいて盟主の座を目指すことにある。そのためには目障りな日本を先ず叩き潰し、この地域に軍事的プレゼンスを持つ米国を追い払うことを最終目的にしている。
共産中国はクリントン政権時代には様々なロビー工作をして日米の離反を謀る策略を巡らして来た。
しかし、共和党政権になってからは、米国に対する警戒心を強め、しだいに反米的な言動が目立ち始めた。
日米同盟に亀裂を生じさせる工作は諦め、日米同盟に対してはロシアとの戦略的な連携で対抗する腹を固めたようだ。
共産中国の胡錦濤国家主席は今年5月にロシアを訪問した。
この時はロシアが開催した反ファシズム勝利60周年の式典に招待されての訪露だったが、それからニヶ月も経たない短期間でも再訪問は極めて異例なことだ。
それだけに今回の訪露にかける胡錦濤の意気込みは並々ならぬものだった筈だ。
プーチン大統領との間で合意調印された『二十一世紀の国際秩序に関する共同宣言』は反米色が強く打ち出されたものだ。
「主権国家に社会・政治体制を無理に押し付けてはいけない」これはイラクやイラン、北朝鮮を悪の枢軸と批判した米国に対する牽制だろう。
更に「独占と支配主義の悪弊を直さなければならない」とのくだりは、現在の国際情況化における米国の一極支配体制を批判し、それに代わる「新しい世界秩序」の構築を訴えたものだ。
まだ米国からのこの共同声明に対するコメントは聞こえてこないが、米国が増々共産中国に対する警戒心を強めることは間違いない。
この中露の戦略的な提携は東アジアにおいては、冷戦時代を髣髴させる時代の逆行になるのか。
この中露の提携に一番喜んでいるのは北朝鮮だろう。
これまで以上に反米主義を全面に出した揺さぶりをかけてくるのは確実になった。
日米同盟の堅固さが増々重要性を帯びてきた。
