民主党政権の前途を占う(1)
労働・農業問題で深刻な対立が生じる可能性
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米国の大手証券会社であったリーマンブラザーズの経営破綻から、もう少しで一年が経過する(破綻したのは昨年9月15日)。
現在の時点においても米国はまだこの経済破綻からの不況から脱し切れていません。
今朝の産経新聞の朝刊には、8月の米国の失業率は9・7%にまで悪化して、これは26年ぶりの高水準とありました。
もう10%目前であり、極めて厳しい雇用情勢であることをうかがわせています。
金融市場の混乱は一応は落ち着きを取り戻して、収まりかけていますが、個人消費の回復はなかなか進まずに今後も油断のならない状況は続くと見られています。
日本の失業率も相変わらず高い。
◎7月失業率、過去最悪の5.7%=求人倍率0.42倍で最低更新
総務省が28日発表した労働力調査によると、7月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.3ポイント悪化し、過去最悪の5.7%となった。失業率の上昇は6カ月連続。一方、厚生労働省が同日発表した7月の有効求人倍率(同)は、前月を0.01ポイント下回る0.42倍で、3カ月連続で過去最低を更新した。失業率はこれまで、「ITバブル」崩壊後の2002年6、8月、03年4月の5.5%が最も高かった。
今回の景気悪化局面で失業率は半年間に1.6ポイント上昇し、急激な悪化ぶりが際立つ。来年にかけ一層上昇するとの見方が強く、6%台に乗る可能性もある。衆院選後の次期政権にとって雇用問題は最重要課題の一つになる。
失業率を性別にみると、男性は前月比0.4ポイント上昇して6.1%と初の6%台になった。女性は5.1%で0.1ポイントアップした。
完全失業者数は、前年同月比103万人増の359万人で、増加幅が初めて100万人を超えた。このうち、倒産や人員整理、雇用契約満了など「非自発的な理由」による失業者は、過去最大の163万人だった。
就業者数は前年同月比136万人減の6270万人で、18カ月連続の減少。産業別の減少幅をみると、製造業の106万人が目立つ。
有効求人倍率は、ハローワークの求職者1人当たり何件の求人があるかを示す。08年1月に1倍を割って以降、ほぼ一貫して悪化しているが、新規求人は2カ月連続で改善するなど、下げ止まりの兆しもある。厚労省は8月18日時点で集計した非正規労働者の雇用状況も公表。昨年10月から今年9月までの失職者(失職予定含む)は23万2448人で、7月集計時に比べ1.4%増えた。
http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_eco_jobless-rate
今回の政権交代がこの未曾有の世界的な同時不況が影響したことは間違いないでしょう。
麻生政権はこの不況対策に関しては、私は手をこまねいていた訳ではなく、やるべきことはシッカリとおやりになったと思っています。
しかし、世界的な規模であったことや、米国の回復がこのように遅れていることでも分かるように、この不況を克服することはそう簡単ではなかったのです。
私はこの世界同時不況に襲われた時に、わが国の企業経営者達は衝撃を受けながらも、他面新しい事態を内心望んだのではないかと思っています。
何故ならば、経済的な停滞が長く続き、何らかの大きな変化を求めないと、更に好ましからぬ事態に追い込まれるという恐怖感に襲われていたのではないか。
資本家や企業経営者は常に国家の利益よりも、企業の利益を優先させる。
日本の急激な構造改革などが自民党の支持基盤や保守の基礎的な土壌を根底から破壊させる可能性があったことは十分に知っていたと思います。
農村や地方は伝統的な保守権力の基盤であり、その保守基盤を崩壊させてしまえば、自民党はその力を失います。
急激な構造改革路線を小泉政権が進めていた時に、既に保守基盤の瓦解は始まっていました。
いずれ自民党の支持基盤が破壊されることを知っていた資本家・企業経営者は、別の船に乗り換える準備をしていたとしても不思議ではない。
資本家と企業経営者にとって、自民党政治が日本経済の維持への障害になるとなれば、これは冷酷に切って捨てられることになります。
私は今回の選挙では財界は裏では民主党に乗り換えていたと思います。だから民主党は財界の意に沿うような政策の実施を迫られることになるでしょう。
国民の中には民主党は資本家・企業経営者側と対立して、雇用者の立場を守ると信じている人が多いかも知れませんが、私は必ずしもそうならないと思っています。
マニフェスト/民主党の雇用軽視への転換/背後に財界の怒り
1)日本の雇用を守る為には外国人労働者の規制を強めることが必要です。
2)日本農業を守る為には国内農業を保護し、自由貿易協定(FTA)などは結ばないほうが良い。
この二つはかなり重要な施策となります。
農業問題と労働問題で、財界の考えを優先させれば、国内の農民と労働者との対立は避けられません。民主党の政策は必ずや矛盾が噴出して、農業団体や労働団体と距離を置くことになるのではないか。





