安倍政権は東北で不人気
東北にこそ「地域政党」が必要かも知れない。
薩長への恨み、未だ消えず? 安倍政権が東北で「不人気」の謎

自民公明の与党圧勝で終わった参院選ですが、実は東北では野党統一候補のほとんどが勝利していたことをご存知でしょうか。なぜ、安倍政権は東北で大敗したのか? 評論家の佐高信さんの発行するメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、幕末期の「奥羽越列藩同盟が生きているからだ」と面白い考察で先の参院選を解説。薩長出身にルーツを持つ安倍政権への恨みは未だ根深く残っていると持論を展開しています。
◆怨みは消えない
ほぼ毎月一回行っている「金曜日文庫」の対談の後の質問で、ハッとするようなことを言われた。
「先の参院選で、東北で野党統一候補が勝ったのは、TPP問題だけでなく、“奧羽越列藩同盟”が生きているからではないか」
確かに、TPPポイントだとすると、秋田で敗北したのが説明できなくなる。
質問した人は福島の出身だったが、三重で統一候補が勝ったのも、民進党代表の岡田克也の地元というだけでなく、徳川親藩の桑名藩ということではないかと主張するのではないかと主張するのである。
私は「ウーム」と唸ってしまった。
現首相の安倍晋三は長州の出身であり、元首相の小泉純一郎の父親は薩摩の出だから、いまだに薩長が日本の政治を悪くしてるんだと、堂々強調している私が気がつかないのは不覚の限りだった。
沖縄の勝利も、薩摩による虐待と差別に対する抗議と読んだほうがいいだろう。
怨みを深く沈黙させているところは、そう簡単にだまされない。新潟も、もちろん、いわゆる薩長の官軍と対決した奧羽越列藩同盟の一員だった。
私が『西郷隆盛伝説』(光文社知恵の森文庫)に書いたように、東北では戊辰戦争の際の秋田の裏切りを許していない。
それについて、秋田県出身老医師の述懐を引こう(吉田昭治『秋田の維新史』より)
「あれは明治三十四、五年の頃、仙台の第二高等学校に居た頃のことです。舎監をしていたのが旧仙台藩士でしてね。なかなか厳格な反面、優しいところのある爺さんで、生徒達にも人気がありました。私なども入った当座は随分可愛がられ、世話になったもんです。ところが、私が秋田出身の出と判ると、その途端態度がガラリと変わってしまいました。それからというものは、寮であろうが、学校の中であろうが、町の中であろうが、顔を合わせる度毎に、一日一回なら一回、三回なら三回、十回なら十回、とにかく会う度毎に凄い目でにらみつけて、破れ鐘のような声で”秋田の変心!”と頭ごなしに怒鳴りつけるんです。私は山奥の百姓のせがれで、仙台藩士の暗殺とは全く何の関係もないのに。いやあ、あれには参ったもんでした」
「暗殺」とは、揺れる秋田藩に送った仙台藩の使節、志茂又左衛門らを、薩摩出身の奥羽鎮撫総監督府参謀、大山格之助が斬殺してしまったことを指す。
仙台藩が大山と同職の世良修蔵を暗殺して列藩同盟のリーダーとなったのと逆に、秋田藩は志茂らを斬殺して、薩長の官軍側に組み入れられた。
TPPを推進しないと言って簡単にそれを引っくり返した安倍などを、奥羽越列藩同盟に属して抵抗した人たちは絶対に信じないということだろう。およそ150年経っても怨みは消えないのである。
著者/佐高信(評論家)
高校教師、経済雑誌の編集者を経て評論家となる。著書に『保守の知恵』(毎日新聞社)、『未完の敗者 田中角栄』(光文社)など。
http://www.mag2.com/p/news/214428
長い文章を紹介しましたが、別に私がこの論説に与していると言う訳ではなく、このような意見もあると紹介するものです。
この意見に同調しないまでも、今回の選挙で自民党の候補者の多くが野党統一候補に敗れたことは事実であり、その原因を自民党が正しく分析し総括しなければ、この自民党離れは一過性のものではなく、今後も続くのではないかと思う。
自民党は今回の参院選挙の善戦と、その後自民党に入党した人を含めて単独過半数を回復した。これまで長い間「ねじれ現象」に悩まされてきた。それは衆院で過半数を占めても、参院では与野党逆転が長く続いたからです。
古い話で恐縮ですが、自民党が参院選挙で大敗し、与野党逆転を招いた参院選挙は平成8年夏の参院選挙でした。自民党は40割れの大惨敗、社会党は倍増、連合は11議席だった。
自民党惨敗の敗因は3つありました。
★消費税
★リクルート
★農政問題
当時私の日記帳には次のように書かれてあります。(28年前の書いていた日記です。)
この3つをマスコミはワンセットとして捉えていますが、そう考えてはならない。中には一過性のものもあり、或いは歴史の大きな流れの中で考えないといけないモノもある。
さしずめ消費税の問題などは一過性の問題で強引に公約違反に近い形での導入を反省し、時間をかけてその手法も改善すればやがて理解され解決できる。
リクルートに代表される政治不信の問題に関しては、それに直接関わった人が引退して新しい指導部で選挙に臨めば庶民の怒りも収まる。勿論これは一時的に誤魔化せるという事で、根本的には自民党の持つ金権腐敗体質を一掃しないと無理である。
この二つはそう難しいことではない。しかし、農政問題とはこれとは違う側面を持つ、実は日本の農業問題とは国内問題であるかのように思われているが、実は「国際化」という厄介な問題がある。
以上
この日記はかなりの長文なので、このヘンで止めておきますが、実はこの問題こそはその後も長く日本農業に関わる重要な視点となっています。今農村は高齢化の波で就業人口は激減している。
若者にはお嫁さんのき手がなく、このままでは日本農業には未来はない。それが日本農業の現状である。日本の農民はもはや自民党が農業やコメ作を本気で守ろうなどとは思っていない。
今回の参院選挙でも「自民党はTPPで日本農業をつぶす気か!」とか「コメの自由化で日本農業をつぶす自民党」なる立て看板が目立った。
対して、共産党は明確に「TPP反対!」「日本農業を守れ!」「農産物の自由化阻止!」のポスターを張り巡らしていた。
これまで農村は保守地盤の牙城とも言われ、東北地方も自民党がいつも選挙で勝っていたが、それは昔の話となって行くでしょう。
農村部におけるこの新しい政治を求める声を自民党は吸い上げることが出来ない。それは何度も裏切っているからだ。
秋葉原で仙台出身の中野正志議員(日本のこころ幹事長)の話を久しぶりに聞いた。仙台には和田正宗という素晴らしい政治家もいます。しかし、この二人の政治家としての将来は厳しいものとなろう。
日本の心を大切にする党の中山恭子党首は自民党に復帰することしか、考えていないようだ。どう見てもそのようにしか見えない。
日本の心を大切にするよりも、日本の農業を大切に考える地域政党が東北で誕生すれば、大勝を期待しても無理だが、数名の当選者を出すことは出来るのではないか。
中野、和田先生が今後どうするのか?私などの意見に耳を貸す筈もないが、誰か親しい人がいたら、是非伝えて欲しいものである。
