迷走する翼・日本航空問題
何故、民事再生法ではダメなのか?
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<日航再建>年金減額強制も 特別立法策定の考え 国交相
経営危機に直面している日本航空について、前原誠司国土交通相は10日、緊急記者会見を行い、焦点となっている日航の企業年金の減額について、同社OBの同意が得られなければ、支給額を強制的に減額できる特別立法を策定する考えを表明した。
来年の通常国会に法案を提出する方針。月額最大48万円という手厚い企業年金を減額することで、公的資金投入による支援の環境が整うが、OBらは「憲法で保障された財産権の侵害だ」と反発しており、実現には曲折も予想される。
(毎日新聞)
日本航空問題がなかなか決着がつかない。私はこの問題では日本航空は法的な整理しかなく、民事再生法や会社更生法による立て直ししかないと主張してきました。
民主党政権の誕生で日本航空が倒産したと言われるのを嫌がった前原国交相は政府主導による再建を目指しているが、これは将来に大きな禍根を残すことになるでしょう。
日本航空は確かに公共性を強く帯びた会社であっても、これは一民間企業であります。何故その私企業を国が公的資金を使ってまで助けるのか?
この疑問について前原国交相は「このままでは飛行機が飛ばなくなる」と説明したが、まるで分かっていない子供の論法でしかない。何がどうなろうと飛行機が飛ばないなどということは無いのです。
民事再生を裁判所に申し立てた会社が、その翌日から会社の営業が停止したなどということはありません。直ちに財産の保全がなされ、支払いはある一定期間ストップされるので、会社の営業継続は可能です。
民事再生法を申請しても飛行機が止まる事態などは絶対にありません。裁判所は直ちに管財人を任命し、管財人が裁判所の許可を得ながら、新たな支援者を探し出すのです。
その時には日本航空は徹底的にスリム化されて、例えば高過ぎると言われているような企業年金問題なども裁判所の管轄下において強制的に他の債権者と同じように減額されていくことになります。
米国や世界中の航空会社が新たなオーナーとして名乗りを挙げた時に、日本政府も名乗りを挙げて、その土俵の上で競争してスポンサーになることのほうが余程分かり易かったと思います。
それを訳の分からない、胡散臭い「再生タスクホース」などに任せるとしたことで、銀行団や日本航空のOBなどが強く反発し、根本的な解決がなされないままに公的資金の導入だけが先行することになったのです。
これでは自民党時代よりも悪いと言わねばなりません。自民党の運輸族の中にはいずれ日本航空は破綻処理しか再生の方法がないとハラを決めていた人もいました。
米国のデルタ航空やユナイテッド航空は経営破綻しましたが、連邦破産法11条に則って債務を整理して立ち直った。運行にはまったく支障なく政府に頼ることもありませんでした。
日本航空の経営側は自民党の政治家と一緒に、この再建案を真剣に考えていました。裁判所に駆け込む寸前であったのを、民主党や前原氏が「政権交代したから潰れた」と言われるのを躊躇したのです。
大臣直轄の専門家チームは未だに債権者が納得する再建案を示せないでいます。この調査にだって巨額なお金がかかっているのです。民事再生を申請すれば再建費用はその数分の一か数十分の一で終わるでしょう。その調査費にも注目します。
さて、将来に禍根を残すことになると書いたのは、法的な整理を躊躇ったことで、年金を減額することで新たな法律を成立させなければならなくなったことです。
明らかに憲法で保障された財産権への侵害でしょう。これが他の財産権への侵害に拡大解釈され、運用が限りなく広まる可能性は果たしてないのか?
この高い年金問題ですが、下記の説明を見て下さい。
日航の年金支給額が最大の48万円(うち5万円は本人が掛け金を負担)になるのは、退職金1700万円を選択した場合で、内訳は企業年金が25万円、国民年金・厚生年金が計23万円だった。退職金を最大の3650万円受け取った場合は、年金は公的年金の月額計23万円のみとなる。
http://mainichi.jp/select/biz/news/
20091106k0000m010144000c.html?inb=yt
会社が再生法を申請し事実上倒産すれば、この年金の仕組みを守る必要はありません。しかし、会社が存続する中で、この年金だけを強制的に減額することはどうなのでしょう。
会社の存続を願って退職金を少なくもらってきた人達です。会社が存続するのに、自分たちの財産権だけが侵害されると疑問の声を上げるのは当然でしょう。
新たな危ない法案を成立させ、今後広範囲な国民財産への侵害を正当化する危うさを考えるなら、裁判所に民事再生法を申請することのほうが余程ましであると思います。
債権者は平等に取り扱われるべきであり、一方の債権者の財産権だけが侵害されて良いのでしょうか?
政府が民間企業の債権問題にまで関与する必要などまったくありません。![]()
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