北朝鮮に手を焼く胡錦濤
共産支那(中国)と北朝鮮は共に世界では珍しい共産主義の独裁国家である。ソ連邦の崩壊で東ヨーロッパの共産圏諸国がドミノ現象のように倒壊する中で生き延びてきた。
この共産主義の残滓とも言うべき国家は日本と米国が軍事同盟関係にあるように、両国とも軍事同盟を締結している。昨日も述べましたが、北朝鮮の親は旧ソ連の共産党であり、中国共産党とは兄弟関係にある。
胡主席体制が誕生してから一貫して北朝鮮を評価、北朝鮮の核開発や保有についても、これを認めていると専門家は指摘していました。
来日中の米保守系シルクタンク「へりテージ財団」研究員で中国専門家のジョン・タシク元米国国務省情報調査局中国部長は1日、時事通信社と都内で会見し、中国は北朝鮮の独裁体制を存続のためには、北の核兵器を認める考えを抱いていると指摘。今年8月に実施されたとする山東半島での大規模な中露合同演習が、実際は「北朝鮮防衛」を想定したものだったとの情報分析を明らかにした。
これは昨年12月の頃の報道です。タシク研究員によると中国の胡錦濤国家主席は党指導部に対して「北朝鮮は政治的に一貫して正しい」と常々述べており、党宣伝部に対しては「北朝鮮の社会主義イデオロギーによる独裁体制維持能力を学ぶべきである」と指導している。
また、先の中露軍事演習は米国が対北朝鮮武力制裁に踏み切れば、中国人民解放軍が武力介入によって北朝鮮防衛に動くことを示す狙いがあったと分析。北朝鮮が自国の安全を保ち、極東アジアの安定を築くには「北朝鮮が核を保有することも容認する」と述べたと伝えている。
私はこの時、この記事を引用して『極右評論』に次の様に書きました。
「中国の対米政策を有利に進展させるものであるなら北朝鮮の核保有さえ容認するであろうし、状況の変化によっては、台湾や韓国さらには日本へと波及しかねない場合、北朝鮮の核保有を<極東の安定を構築>との大義名分の下に排除する措置(武力介入)さえ躊躇(ためら)わぬであろう」
つまり、中国の腹はあくまでも自国の利益が最優先であり、もしも北朝鮮の核保有や核実験が自国に不利に働くことになれば、それは即座に方向転換がされるということです。
それでは現在の状況をどう見ているかですが、これは北朝鮮の核排除という方向に重心が移行していると思われます。これは北朝鮮自身が既に北京のコントロールから離れつつあるのが原因でしょう。
中国は米国と緊密に連携しながら北朝鮮に対する金融制裁を実施しています。その最大の理由は北朝鮮は米国の偽ドル紙幣だけでなく、中国の偽札も製造、それが中国に広まっているからです。
北朝鮮の違法なビジネスである覚せい剤、偽タバコ、そして偽札までもが中国に出回ってきたことに対する危機感が、北朝鮮に対する不信感を増幅させました。
胡錦濤と金正日は今年早々会談していますが、両者が向かい合って抱き合う姿はとても、ぎこちないものでした。胡錦濤の笑顔は心からのものではなく、その目は笑っていなかった。
胡錦濤のような中国共産党のエリートは、これまで多くの熾烈な権力闘争に揉まれてきたわけで、生まれながらにして権力者の座を保証されていた金正日とは全く違います。
国内では絶対的な服従を強い“将軍サマ”と崇められてはいるが、それが社会主義イデオロギーによる統治を行なう上で便宜的に用いられた�犒豢抬瓩鵬瓩�ないことは彼(胡)は熟知している。
このような金正日に軽蔑の眼差しを見せることはあっても、心の底から尊敬するようなことは絶対に考えられない。中国はハッキリと北朝鮮の“金王朝”崩壊を視野に動き始めている。
人民解放軍の最精鋭部隊を北朝鮮国境沿いに配備しています。これは表向きは脱北者警備という名目にはなっているが、一旦北朝鮮に不穏な動きがあれば、直ちに北朝鮮に対する侵攻を開始するであろう。
既にかつて歴史上に存在した高句麗は朝鮮人民の独立国家ではなく、それは支那大陸の辺境地における地方政権でしかなかった。―このような政治宣伝も行なわれている。
これは北朝鮮を武力によって支配した時に、国際社会に対しての説明として用いるつもりなのであろう。韓国はこれに反発して中韓で歴史論争になったが、北朝鮮の見解は伝わってこない。
これを快く思っているはずもなく、もう北朝鮮が中国の言う通りに動く可能性はゼロとなっている。しかし、だからと言って中国が積極的に北朝鮮の体制崩壊に手を貸しづらいのも事実だ。
中国領には300万人以上の朝鮮族が暮らしており、事実上の自治区を形成している。北朝鮮が崩壊すれば更に数百万人の朝鮮人が中国に難民となって流出する。
何が恐いといってこれほど中国にとっての脅威はない。一歩間違えば中国は内乱の危機を抱え込むことにもなる。中国にとって最良の手段は金正日だけが失脚して、現在の共産主義独裁のシステムが残ることである。
北朝鮮の核保有と核実験の強行は日本だけでなく、中国にとっても脅威であることに違いはない。中国ではまだ完全に胡錦濤が実権を握っていないとする見解もある。
北朝鮮をどうするのか―、それは中国にとっては外交問題ではなく、即国内問題それも一番厄介な権力闘争に結び付く危険性を帯びながら現在進行中なのです。
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