共産中国が最も恐れる北朝鮮における「親米政権の誕生」
北朝鮮の核開発問題を協議する6カ国協議が北京において再開された。主催国である共産中国が示した「全ての核兵器と核計画の放棄」を柱とする共同文書で果たしてまとまることができるのか。北朝鮮は核の平和利用の権利の行使をあくまでも主張して、全面的な放棄を迫る米国と対立している。
この協議は表向きは米朝の対立だけが深刻な問題として取り上げられてはいるが、実際には核の問題だけではなく、北朝鮮という国家をどうするのか?そのことが最終的に決定される場でもある。
北朝鮮という冷戦時代の鬼っ子とも言うべき独裁国家が、今後も世襲体制を継続していけるとは誰もが思っていない。全ての周辺国家が「北朝鮮国家の崩壊」を視野にいれながら、国益を考えた激しいつばぜり合いをしている。
日本は拉致問題や在日朝鮮人の問題はあるが、直接国境を接していない分緊張感に欠けている。確かに拉致問題は「宣戦布告」しても構わない位の我が国に対する人道上の侵略行為である。しかし、我が国には残念ながら北朝鮮を向うに回して戦うだけの気概がない。
北朝鮮の崩壊に一番怯えているのは韓国と朝鮮族を300万人以上抱えているとされる共産中国である。特に中国はこれまで北朝鮮を外交カードに使って、自国の利益のために利用してきた。
勿論そのためには食糧やエネルギーの支援を続け影に陽に支えてきたわけだ。しかし、現在中国の指導層の中には、その様にして支えてきた北朝鮮に対する不信感が増大するに至った。
それは北朝鮮は中国のこれまでの支援を半ば当然のように受け止め、中国のいう事を素直に聞こうとしない。否聞こうとしない所か「核保有宣言」までして中国に抵抗する姿勢まで見せ付けた。
この北朝鮮の姿勢に対して中国側は厳しい対応をとり始めた。中国の理論誌「戦略と管理」の2004年8月に掲載された論文は、これまで中国が控えてきた北朝鮮批判を始めて展開した。
この論文に大慌てした北朝鮮は激しく反発し、中国側もこの理論誌を停刊とした上で両者は一旦は和解したように思えた。しかし、その後の中朝関係を見ると、どうもしっくり行っているとは思えない。
なぜ中国は理論誌に掲載した論文を引っ込めてまで和解したのか。それは北朝鮮が中国を無視して暴走することは、中国に取って極めて深刻な事態を招きかねないからであり、中国が不本意ながら自ら折れたとも考えられる。
中国が一番恐れるシナリオはアフガン、イラクに続いて北朝鮮が米国の軍門に下り、そこに民主的な「親米政権」が樹立されることである。これは何も米国や多国籍軍の「第二次朝鮮戦争」だけを意味しない。
追い込まれた北朝鮮国家が内部から崩壊することを最も恐れている。金正日独裁政権に反発した軍のグループとあくまでも金王朝に忠誠を誓うグループによる内戦が勃発、金王朝支持グループが共産中国に支援を要請、それに対して反金正日グループが米国に支援を要請して、最終的に中国と米国が対立する事態を一番恐れている。
いずれにしても、北朝鮮という独裁国家の崩壊を視野に入れながらの交渉が今始まったということだろう。
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